弊社むすび株式会社では、リブランディングや採用ブランディングの一環として、座談会を実施しています。
座談会を実施することで、理念浸透の促進はもちろん、現在の浸透度を確認できるからです。
今回は、座談会を実施する上でのポイントについて解説するので「なぜ座談会が必要なのか?」「どのように座談会を進めるべきなのか?」を理解する上でのヒントにしてください。
インナーブランディングで座談会を実施する目的
座談会を実施する大きな目的は、理念浸透の取り組みに対しての進捗確認です。
たとえば、理念に沿ってマニュアルを変更しようと決めた場合に、「どこまでマニュアルを変更できたか?」「どれだけの人が新しいマニュアルに合わせた取り組みができているか」を確認します。
進捗確認のためにMVPを選出してもらう
弊社が実施する座談会では、毎回の座談会で理念に沿った行動をしている人をMVPとして選出してもらいます。ここでMVPとして選出する従業員は「定めたVMM(ビジョン・ミッション・バリュー)を実践している人」です。
実戦していて結果が出ている人はもちろん、結果は出ていないけど実戦している人も対象になります。
座談会の効果を最大化するためのポイント
座談会は、ただMVPを選出して賞賛するだけのものでは意味がありません。一つひとつのプログラムに意味があります。
以下では、2つのポイントと、それぞれのプログラムでどのような効果があるのかについて解説します。
MVP選出者に「なぜ選出されたのか?」を話してもらう
MVP選出者は、周囲の参加者に良い影響を与えます。そのため、MVP選出者には「なぜ選出されたのか?何を意識してどのような工夫をしているのか?」についてシェアしてもらいます。
これらの内容をシェアしてもらうことで、2つのメリットを得られます。
- 頑張っている人同士の意識を高める
- 努力が足りていない人の意識を高める
また「どのように行動してよいかわからない」人のお手本にもなるでしょう。
MVP選出者に「VMMをどのように捉えているか?」をシェアしてもらう
MVP選出者には、ビジョン・ミッション・バリューへの考え方についてもシェアしてもらいます。シェアすることで「選出者はこういう考え方をもっているからこのような行動に繋がる」と、周囲の人間もVMMに対しての理解が深まります。
MVP選出者は、ただ賞賛するだけのために選んでいるのではなく、常に媒介的な存在だと考えてください。MVP選出者を通してその先の人たちにどのように影響を与えるかを考えて、MVP選出者の意識などを解き明かしていく必要があります。
自社で座談会を実施する際の注意点
座談会を実施する際は、必ず弊社がファシリテーターを行っています。なぜなら、座談会における内容の深掘りやポイントなどを理解しているからです。
また、自社でファシリテーターまで行ってしまうと、円滑に進めることに気を取られてしまい、肝心の発表内容に集中できません。
しかし、なかには自社で座談会を実施してみようと考える企業もあるでしょう。
そこで、以下では座談会を実施する際の注意点について、解説します。
時間配分を考えた深掘り
MVP選出者は、その会社の優秀な人であるため、座談会が長引いてしまうと本業に差し支える可能性があり、本末転倒になってしまいます。
そのため、ファシリテーターは決められた時間内でMVP選出者の発言を深掘りして、参加者に気づきを与えるように進めなければいけません。
さらにここで注意したいのが、オリジナリティを求めないことです。MVP選出者それぞれが、完全なオリジナリティを出すのは難しいので、オリジナリティを追及しすぎないように進めていく必要があります。
参加者のマインドセット
自社で座談会を実施してしまうと、参加者のモチベーションが低くなりやすいです。その状態で参加しても、本音を引き出すのは難しいでしょう。
また、モチベーションが低い状態では「忙しいから参加できない」という人が続出する恐れがあります。
外部の人が座談会を実施するよりもはるかに難易度が上がるので、かなりのファシリテーション力が求められます。
本音を引き出しにくい
自社のよく知っている人同士で座談会を行うと、良くも悪くも照れや恥じらいが出てしまいます。そのため、本音を言いづらい環境になってしまうケースがあります。
この点を打破するために、役職の高い人に出席してもらう方法もありますが、役職の高い人が上手に仕切れるかどうかは別問題です。
いずれにしろ、ファシリテーターとしてのハードルは高くなります。
臨機応変に対応できるヒアリング力
進行役としてのファシリテーションがうまくできたとしても、MVP選出者の気持ちや本音を引き出すためのヒアリング力や質問力は、また別物です。
過去に取材などの経験がある場合は、仮説をぶつけたり多角的な観点から質問をしたりして新しい情報を引き出せるかもしれません。しかし、人から話を引き出すのを初めて行う人にとっては、かなり難易度は高いです。
結果的に、浅い情報しか引き出せず、理念浸透のスピードが遅れてしまいます。
理念浸透のための座談会はプロに依頼すべき
インナーブランディングで理念浸透を促進するために、座談会は必須項目です。しかし、座談会の目的を得るためには、プロの手が必要になります。
自社ですべてを実施しようとすると、うまく座談会が進まなかったり、参加者に良い影響を与えるための発言を引き出せなかったりして、結果的に理念浸透が遅れてしまいます。
繰り返し鍛えることで座談会のレベルを上げることはできますが、その時間を費やすのであれば、座談会の意見に集中して、より良い取り組みを生む方が有効的です。
弊社むすび株式会社は、これまでにいくつもの企業の座談会を実施してきています。理念浸透を加速させるのであれば、ぜひ私たちむすび株式会社にお任せください。
深澤 了 Ryo Fukasawa
むすび株式会社 代表取締役
ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター
2002年早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。2015年早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。同年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はロンドン、フランス、ミラノで6度金賞受賞。制作者としての実績はFCC(福岡コピーライターズクラブ)賞、日本BtoB広告賞金賞、山梨広告賞協会賞など。雑誌・書籍掲載、連載多数。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)、「知名度が低くても”光る人材”が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)。