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レポート

2024.01.30

インナーブランディングにツールを導入する必要はあるか?

インナー・ブランディングにツールを導入する必要はあるか?

インナーブランディングは各種ツールを使った方が効率的になるケースもあります。

しかしどのような場合においてもツールが効果的とは限りませんので、早合点してはいけません。

本記事ではインナー・ブランディングにツールが効果的かどうかについて解説します。

ツールは自社の理念に沿っているかどうかで考える

ツールは自社の理念に沿っているかどうかで考える

ツールを利用すること自体は間違いではありません。

「インナーブランディングをしよう!であればツールを使っていこう」という考えでも良いです。

しかし大事なのは理念とそのシステムがマッチしているかどうかです。

インナー・ブランディングの観点から言うならば、理念とマッチしていないツールは効率的とは言えません。

無駄とまでは言いません。エンゲージメント向上の側面から言えばメリットはあります。単にツールの影響でコミュニケーションが増えれば理念浸透まではいかずとも少なからず良い影響も与えます。

ただしインナー・ブランディングの観点でいうならば「理念とマッチしているかどうか」を考えた取り入れるべきかどうかを検討した方が良いでしょう。

社内コミュニケーションアプリの必要性

社内コミュニケーションアプリの例として「サンクスカードアプリ」があります。このようなアプリについても上記と同様で理念とマッチしているかが大切です。

「感謝を伝えあおう」のような理念またはVMV(ビジョン、ミッション、バリュー)が掲げられているのであればやる意味はあります。しかし特別に「感謝」や「ありがとう」に関する理念が掲げられていないのであれば、理念浸透の観点からは優先順位が低くなります。
(感謝を伝え合う組織を作ること自体は重要ですよね)

社内SNSの必要性

社内SNSは運用の仕方によって必要と言えるかどうかは異なります。なぜなら、ただ世間話をするだけのSNSであればインナーブランディングの観点では意味がないからです。

たとえば社内SNSで「このバリューにそって・どのような行動をして・どのような結果になった」と報告しあうのであれば意味はあるでしょう。

しかしコミュニケーションだけの使い方になるのであれば社内SNSである必要はありません。

また、VMVに沿っていない場合には社内SNSが使われなくなる可能性が高いです。

「社内SNSを用意しました、皆さんのコミュニケーションに役立ててください」
「VMVにそって社内SNSを使うようになったので、こんなケースがあれば報告してください」

上記であればSNSを使い続けてくれるのは後者です。前者では投稿する意味がわからないためにいずれは使われなくなります。

有料ツールの必要性

インナーブランディングのために有料のツールを使った方が良いかは目的によって異なります。

予算もあり、拠点も多くあり、サンクスカードを交わしていこう、といったような意味があるなら導入してみるのも良いかもしれません。決して無駄ではないです。

しかし必須ではありません。予算がない中で無理をして導入すべきかと言えば、そこまでする必要はないです。

闇雲なツール導入は意味がない

闇雲なツール導入は意味がない

理念と関係性の低いツールを闇雲に導入するのは効率的ではありません。

理念に即していないツールでは使われなくなる可能性が高いですし浸透活動としては微々たるものにしかならないからです。

これが例えば、インナーブランディング後にさらにコミュニケーションを増やす目的だったとしても理念に即してなければ大きな効果は得られないでしょう。

費用をかけずに導入できるツールはいくらでもある

費用をかけずに導入できるツールはいくらでもある

弊社では「インナーブランディングをおこなうためにツールを使用しましょう」といった提案はおこないません。

コミュニケーションや報告のためのツールで考えれば社内で共有できるSNSがあればだいたいのことができてしまうからです。

Facebookのグループ、Talknote、LINE、Chatworkなどでもコミュニケーションツールとしては十分機能します。

ただし有料でリリースされているコミュニケーションツールを否定するわけではありません。有料である分、便利ではあるので予算があれば使ってみるのも良いでしょう。

ツールが使えるか?ではなく、理念に即しているか?

ールが使えるか?ではなく、理念に即しているか?

コミュニケーションツールなどは単にそのツールが使えるかどうかではなく、そのツールが理念に即しているかどうかを考えて導入しましょう。どのようなツールでも理念に即していなければインナー・ブランディングの観点では効率的ではありません。

そもそもコミュニケーションツールはインナー・ブランディングに特化しているものではありませんから、理念浸透のための一つの手段程度に考えておくと良いでしょう。解説したように社内コミュニケーションや感謝を伝えあうことがVMVに掲げられているのであれば利用する意味はあります。

ただ何の理由もなく自社の理念やVMV(ビジョン、ミッション、バリュー)に即してもいないのに利用するのはおすすめしません。

その企業の理念にそった浸透活動の方法であれば私たちも一緒に考えていきますので、ぜひご相談ください。

深澤 了 Ryo Fukasawa
むすび株式会社 代表取締役
ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター

2002年早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。2015年早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。同年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はロンドン、フランス、ミラノで6度金賞受賞。制作者としての実績はFCC(福岡コピーライターズクラブ)賞、日本BtoB広告賞金賞、山梨広告賞協会賞など。雑誌・書籍掲載、連載多数。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)、「知名度が低くても”光る人材”が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)。「どんな会社でもできるインナー・ブランディング まず教育、そして採用、業績アップ。鉄板の好循環をつくる」(セルバ出版)。

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