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2023.09.04

インナーブランディングにおける理念浸透加速のポイント|社員に伝わるから採用につながる

インナー・ブランディングにおける理念浸透加速のポイント|社員に伝わるから採用につながる

インナーブランディングによって理念浸透を加速させるには「伝え方」を意識しましょう。伝え方を意識するだけで、理念浸透の加速度は異なります。

今回は、伝える上でのポイントについて解説するので、ぜひインナーブランディングを実施する際に意識してみてください。

大々的に伝える

大々的に伝える

理念浸透の施策を伝えるには、以下の項目をできるだけ大々的におこないましょう。

  • 理念の発表
  • 理念の説明
  • 計画

大々的におこなわなければいけない理由は「それだけ重大な内容だ」と理解してもらうためです。仮に、毎週または毎朝おこなっている朝礼でサラっと簡単に伝えてしまうと、重大さが伝わりません。

インナーブランディングによる理念浸透は、会社の行く末を決め、計画に則って進めていく重要な施策です。そのため、社員のなかでも「重要なことである」という共通認識が必要になります。

では、具体的にどのような場で発表するべきなのか、発表をおこなう最適な2回のチャンスについて解説します。

1回目のチャンスは理念が言語化されたタイミング

理念を伝えるチャンスの1回目は、理念が言語化されたときです。このとき、言語化された理念だけを発表するのではなく、どのような議論があった上でその理念になったのかまで発表しましょう。

議論の内容を発表することで、言葉の背景まで理解してもらえます。

また、理念によってどんな未来を目指していくのかについても、社長の想いを伝えるようにしましょう。できるだけ具体的に伝えることで従業員それぞれが未来の自社の姿をイメージできるようになります。

そのため、社長は理念を決める段階で、スピーチの用意をしておくべきです。最初のインパクトが肝心なので、熱・未来・具体性を大事に、伝わる内容を考えておきましょう。

2回目のチャンスは社内外の計画が決まった時点

2回目の発表のチャンスは、社内外の計画が決まったときです。プロジェクトは何ヶ月にも渡るため、途中経過とともに伝える機会があったほうが、理念浸透の施策に巻き込んでいけます。また、何度も伝えることで、プロジェクトの重大さも伝わるでしょう。

とくに社内向けの計画が決まった段階が好ましいです。従業員にとっては、自分たちの仕事の流れが変わる可能性がある社内向けの計画の方が気になります。そのため、計画を発表するとともに全従業員に協力してほしいという姿勢で伝えるのが重要です。

ただし、細かいケアは現場の責任者に任せ、社長としては決意をもって進めていく姿勢を見せましょう。

常に補足できる準備をしておく

計画内容が細かくなる場合は、詳細をプロジェクト・メンバーが話すようにしても良いでしょう。しかし、プロジェクト・メンバーにすべてを任せるわけではありません。あくまで社長が自分の言葉で伝えた後に、プロジェクト・メンバーに補足してもらう形です。当然、社長自身も背景や意図を補足する準備をしておきましょう。

仮に背景や意図を補足できなかった場合、従業員は「面倒な仕事が増えた」という気持ちになりかねません。従業員のモチベーションを高めるためにも、必ず背景・意図を補足できるようにしておいてください。

連結ピンを意識する

連結ピンを意識する

社内への落とし込み方法として、リッカートが提唱した連結ピンを意識しましょう。連結ピンとは、社長が頂点だとした場合、2段目の階層に取締役、3段目の階層に部長、一番下の階層に一般従業員というような考え方です。

この階層のように、基本的に会社のトップが示した目標や想いは、適切な形で全従業員に届くことはありません。上下の階層をつなぐ役割の人が、それぞれ適切に下層へ落とし込んでいきます。

この階層を意識してインナーブランディングを実施すれば、社長の発表に腹落ちしていなかった従業員がいたとしても、現場のマネジメントや直属の上長がフォローしてくれるようになります。

そのために、社長は各部署の責任者に腹落ちしてもらう説明をしなければいけません。ここで現場責任者まで落とし込みができないと、理念が社内全体に浸透していくのは難しいです。反対に、各部署の責任者が腹落ちしていれば、理念浸透はスムーズになるでしょう。

インナーブランディングは社内で動いてこそ意味のある施策なので、発表や落とし込みも周到におこなってください。

伝える時点で理念浸透は始まっている

伝える時点で理念浸透は始まっている

インナーブランディングは、計画がスタートしてからが理念浸透の始まりではありません。社長が従業員に伝える時点から始まっています。

社長の伝え方一つでインナーブランディングによる理念浸透がスムーズに進むかどうかが変わります。そのため、社長においては「インナーブランディングを実施する」と決めた時点から、準備にとりかかると良いでしょう。

単にスピーチ力を高めるだけでも良いですし、理念について改めて自分自身が理解するように向き合うでも良いです。

理念浸透の進め方や言語化については、私たちプロにお任せいただき、社長は「伝えること」に集中してください。

もし少しでもインナーブランディングにメリットを感じているなら、実際にどのように進めていくのか?どのような課題を解決できるのか?についてもお伝えしますので、ぜひ一度ご相談ください。

深澤 了 Ryo Fukasawa
むすび株式会社 代表取締役
ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター

2002年早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。2015年早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。同年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はロンドン、フランス、ミラノで6度金賞受賞。制作者としての実績はFCC(福岡コピーライターズクラブ)賞、日本BtoB広告賞金賞、山梨広告賞協会賞など。雑誌・書籍掲載、連載多数。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)、「知名度が低くても”光る人材”が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)。

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