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レポート

2024.03.28

インナーブランディングの必要性|ブランド力を高める施策

「インナーブランディングはウチには必要ない」と考える会社もあるかもしれません。

しかし、自社のブランド力を高めたいと考えているのであれば、インナーブランディングが最も効果的だと言えます。

ただし「どのような会社も絶対にやるべきか?」と言われれば、決してそうではありません。

そこで本記事では、インナーブランディングが必要な理由や適している会社について解説します。

会社の成長にインナーブランディングは欠かせない

inner-branding

結論から言えば、継続的な成長を目指すなら、インナーブランディングを実施すべきです。

会社の目指す方向と社員のマインドが揃い、会社全体でのモチベーションが高まるからです。

このマインドの統一には、インナー・ブランディングが必要になります。

世の中で広まっているような「広告を統一する」といった認識のブランディングでは、短期的なプロモーションにしかなりません。

本来あるべきブランディングは、社内の認識が一致して、やっと一貫性のある広告ができあがります。そこからブランドが育っていくのです。

昨今の「ブランディング」というと、広告や社外に発信する情報のイメージがついていますが、本来のブランディング、とくにインナーブランディングにおいては組織論なのです。

規模拡大を考えるなら現在の社員数に関わらず実施すべき

仮に現在の社員数が4~5名で、直接的に社員と会話をする機会もあり、理念が浸透しているとします。

この場合では「インナーブランディングをしなくても問題ない」と考えるかもしれません。

ただし、成長を考えていない場合に限ってです。

社員数4名~5名のままで良いと思っているのであれば、インナー・ブランディングを実施する必要はありません。

しかし、今後、数十名~数百名規模の会社にして売上をあげて上場する、などを考えているのであれば現在の規模数からでも実施すべきです。

上記で「理念が浸透している」と仮定しましたが、実際に完璧に理念が浸透しているケースは稀だからです。

4名~5名規模だとしても、ほとんどの場合は社長の想いと社員の間で認識のズレは起こります。

ですから、反対に浸透しやすい少人数のうちからインナーブランディングを実施しておくべきです。

社長が社内に課題を感じているなら実施すべき

成長のほか、以下のような課題を感じているなら、インナー・ブランディングを実施すべきです。

  • 社員の名前を覚えきれていない
  • 話したことのない社員がいる
  • 社長だけが動いている

上記のような課題の解決に、インナーブランディングは向いています。

会社が一丸となって同じ方向を向くための組織作りなので、本質的なものになります。

対外的にもインナーブランディングが効果的

インナー・ブランディングは、社外にも良い影響を与えます。

たとえば、顧客や外部のステークホルダーへの影響です。

会社の方向性が一致していくと、アウターの部分まで訴求が一貫性を持つようになるからです。

ですから「インナー=社内のみへの影響」と考えるのは、正しくありません。

インナーブランディングは会社を良くする取り組み

インナー・ブランディングは会社を良くする取り組み

インナーブランディングとは、言うならば会社を良くするための取り組みです。

それらが重なっていくから、本物の「ブランド」となっていくのです。

だから、社外にも伝わっていきます。

会社の「こう思われてほしい」を伝えるために、内部から強化していき、ブランドを作っていくのです。

Case Study

「ブランドに意図を持たせて社外へ伝えていく」をまさに体現した事例を解説します。

日本酒「本菱」の例です。

本菱のデザインは、着物をイメージして千代紙を使っています。着物をモチーフとしたのは、昔、山梨の富士川町に呉服屋が多かったためです。

さらに、和紙も使っています。和紙を使ったのは「和」を表現するためでもありますが、藤川町の隣の町が「紙の町」として有名だったからです。

この本菱をロンドンに出品した際、ありがたいことに高評価を集め、金賞に輝きました。

ただ、評価されたのは、味だけではありません。

海外の方に、ラベルの美しさも評価してもらえたのです。そのときいただいた言葉が「ビューティフル着物デザイン」。つまり、弊社が「こういう意図でこう受け取ってほしい」が伝わったのです。

仮に、着物エピソードもなく、なんとなく「日本っぽい和の仕上がりにしよう」といった考えだけでは、海外の方にここまで伝わらなかったのではないでしょうか。

つまり、これが「中身」です。会社でいうなら、「社内」です。

会社側がプロモーションや広告でどれだけ「自社はこんな会社です」と伝えても、社内が会社の理念や考えを理解していなければ、社外に伝わりません。

成長意欲のある会社にインナーブランディングは必要

「今よりも成長したい」

「規模を拡大していこうと考えている」

「上場を目指している」

上記のような会社であれば、インナーブランディングを実施すべきです。

規模が大きくなればなるほど理念浸透のスピードは遅くなるので、早い段階で実施しておかないと「あのタイミングでやっていけばよかった」と後悔する恐れもあります。

ですから、成長意欲を持って進んでいくのであれば、ぜひ今の段階で弊社にご相談ください。

深澤 了 Ryo Fukasawa
むすび株式会社 代表取締役
ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター

2002年早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。2015年早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。同年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はロンドン、フランス、ミラノで6度金賞受賞。制作者としての実績はFCC(福岡コピーライターズクラブ)賞、日本BtoB広告賞金賞、山梨広告賞協会賞など。雑誌・書籍掲載、連載多数。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)、「知名度が低くても”光る人材”が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)。「どんな会社でもできるインナー・ブランディング まず教育、そして採用、業績アップ。鉄板の好循環をつくる」(セルバ出版)。

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