企業の魅力を内外に伝えるインナーブランディングは、成功のカギを握ります。そこで重要な役割を果たすのが、社内キャラクターやマスコットを活用した戦略。
本記事では、社内ブランド強化に効果的なキャラクター活用法を、詳しく解説します。
キャラクターがインナーブランディングにもたらす価値
企業の内部コミュニケーションにおいて、キャラクターは重要な役割を担います。社内ブランディング、すなわちインナーブランディングにおけるキャラクターの効用は多岐にわたります。
キャラクターは、単なるマスコット以上の存在として、社員の間に一体感をもたらし、企業文化の理解と浸透を促進します。親しみやすいキャラクターは、社員同士の距離を縮め、チームワークを強化する結びつきともなります。
さらには、社内イベントやコミュニケーションツールにキャラクターが登場することで、社員の関与とモチベーションの向上が期待できます。
キャラクターと社内文化の相乗効果
キャラクターを社内文化に取り入れることで、まるで魔法のような相乗効果が生まれます。
オリジナルキャラクターを作成し、企業の理念や価値観を形象化することによって、社員がそれらをより身近に感じるきっかけを作ることができます。キャラクターが社内文化の一部として日常に溶け込むことで、社員の意識は徐々に変化し、自然と企業理念を体現する行動をとるようになります。
例えば、キャラクターが描かれたポスターやグッズをオフィスに配置することで、視覚的な連携が図られ、社内のコミュニケーションの活性化につながることでしょう。
マスコットを通じたブランド愛着の形成
マスコットキャラクターは、社内だけでなく外部に対しても企業の顔となる存在です。このキャラクターに対する愛着を社員内で育むことは、結果的に社外へのブランドイメージの強化にもつながります。
社員がマスコットキャラクターに愛着を持つようになれば、社内だけでなく、顧客とのコミュニケーションにおいてもポジティブな影響を与えることができます。社員自身がブランドの伝道師となり、企業のイメージを前向きに広めていくことに繋がるのです。
社内コミュニケーションの中のキャラクター活用術
企業が社内ブランドを強化する上で、キャラクターを活かしたインナーブランディングは非常に有効です。
キャラクターを用いたコミュニケーションは、社内の雰囲気を和らげるだけでなく、企業文化を社員に深く根付かせる助けともなるのです。
ここで紹介する活用術を実践することで、社内では新たなコミュニケーションの在り方が生まれ、より円滑なやり取りが実現しましょう。
インフォーマルなコミュニケーションを促進
社内でのインフォーマルなコミュニケーションは、チームワークの向上や社員の精神的なストレスの軽減に役立ちます。そこでキャラクターが大きな役割を果たすのです。
例えば、メールやチャットツールでの社員同士のやり取りに、企業オリジナルのキャラクターの絵文字やスタンプを取り入れることで、通常のテキストベースのコミュニケーションに比べて、親しみやすくフレンドリーな印象を与えることができます。
これにより、気軽に意見を交わす雰囲気が生まれ、個々人のアイデアや意見が活発に飛び交うようになるでしょう。
オフィスデザインでのマスコット展示
オフィスの空間にキャラクターを取り入れることも、インナーブランディングにおける効果的な方法です。
エントランスや休憩スペースなどにマスコットのぬいぐるみを設置したり、壁面にキャラクターのイラストを飾ることで、企業の親しみやすさやブランドイメージを日常的に社員に浸透させることができます。
また、デスクスペースを彩るマスコットのグッズは、社員にとっての癒しともなり、居心地の良いオフィス環境作りに貢献します。
社内イベントにおけるキャラクターの役割
社内イベントは、人々が本来の業務から離れて交流を深める重要な場です。キャラクターをイベントのテーマや看板、プレゼント物に取り入れることで、イベント自体のユニークさが増し、社員の参加意識や楽しみが高まります。
特に、社内コンペティションや表彰式といった場では、キャラクターをメダルや賞状にデザインすることで、モチベーションの向上にも繋がるでしょう。キャラクターが持つ力を利用して、単なるイベントから記憶に残る特別な時間へと昇華させることが可能です。
アイデンティティを形作るキャラクターの力
多くの企業が自社のブランドイメージを高め、アイデンティティを際立たせるためにキャラクターを活用しています。
キャラクターには、企業の個性や価値観を象徴する力があり、単なる商品やサービスを超えた物語を紡ぎだすことができるのです。
こうしたキャラクターは、社内外の人々の心に強い印象を残し、親しみやすいイメージを築いていきます。
インナーブランディングにおいて、キャラクターはその企業がどのような文化を持ち、どのような方向性を目指しているのかを、直感的に理解しやすくする役割を果たすのです。
深澤 了 Ryo Fukasawa
むすび株式会社 代表取締役
ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター
2002年早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。2015年早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。同年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はロンドン、フランス、ミラノで6度金賞受賞。制作者としての実績はFCC(福岡コピーライターズクラブ)賞、日本BtoB広告賞金賞、山梨広告賞協会賞など。雑誌・書籍掲載、連載多数。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)、「知名度が低くても”光る人材”が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)。