採用活動がやりたくないと感じる理由は多種多様です。採用を行う側でも、応募者でも、お互いに持つ不安やストレスは避けられません。
本記事では、採用がやりたくないと感じる主な理由を詳しく解説し、どのようにしてそのストレスを軽減できるのか、具体的な対策についてもご紹介します。
面接官が採用をやりたくないと感じる理由
面接官が採用をやりたくないと感じる理由は、多岐にわたります。
まず、応募者の多さと時間の制約が挙げられます。次に、応募者の質にばらつきが見られます。
また、面接の準備とその後の評価の負担も大きいです。
これらの要素が組み合わさると、面接官にとって採用プロセスは非常に疲れるものとなります。
応募者の多さと時間の制約
面接官が最も感じるストレスは、応募者の多さと時間の制約です。
一つのポジションに対して、多くの応募者が集まることが多いです。そのため、全員と面接をするために、時間を大量に割かねばなりません。結果として、通常業務に支障が出ることもあります。
さらに、スケジュールの調整や、面接時間の確保など、細かいタスクも多いです。これらが重なると、心理的な負担はかなり大きくなります。
面接のたびに「これ以上増えないでほしい」と感じる面接官も少なくありません。
応募者の質のばらつき
応募者の質のばらつきは、面接官にとって一つの大きな悩みです。
同じポジションでも、スキルや経験が大きく異なる人が応募してきます。そのため、一人ひとりに最適な質問を投げかける必要があり、準備が大変です。
また、低いスキルの応募者との面接は時間の無駄になりがちです。逆に、非常に優秀な候補者を見落としてしまう恐れもあります。このようなばらつきがあると、一貫性のある評価が難しいです。
結果として、採用プロセス全体が複雑になり、面接官の疲労も増大します。
面接の準備と評価の負担
面接の準備と評価は、大変な労力を要します。
まず、応募者の履歴書や職務経歴書を事前に読む必要があります。これにより、その応募者がどんな人物であるかを理解し、適切な質問を用意します。
また、質問の内容を考えるだけでなく、その後の評価も重要です。面接後には、評価シートに記入し、各項目を細かくチェックします。
さらに、複数の面接官がいる場合、意見調整も必要です。
これらすべてが重なると、面接官は相当な負担を感じることになります。結果的に、面接が楽しみではなく、負担に感じる要因となります。
人事部が採用をやりたくないと感じる理由
人事部が採用活動に対して消極的になるのは、複数の要因があるからです。
まず、採用には多くのコストがかかるためです。さらに、探し求める人材が少ないことも、モチベーション低下の要因となります。
そして、業務の煩雑さが一段と負担を増加させるのです。
これらの要因が重なり、人事部は採用活動に対して前向きになれないのです。
採用活動のコスト
採用活動には、多大なコストが必要です。
例えば、求人広告の掲載料や採用エージェントの費用があります。これらのコストが、予算を圧迫する原因となっています。
また、面接や選考のための時間も無視できません。これにより、他の業務に割けるリソースが減少することがあるのです。このような状況が続くと、予算配分が厳しくなり、採用活動そのものが難しくなるのです。
結果的に、人事部は採用に消極的になるのです。
探し求める人材の少なさ
市場において適切な人材を見つけるのは難しいものです。特に専門的なスキルを持つ人材は限られているため、競争が激化します。
また、企業が求める条件を満たす候補者が少ないと、採用活動は一段と困難になります。結果として、時間と労力を費やしても成果が出ない状況となり、人事部のモチベーションが低下するのです。
このように、適切な人材が少ないことは、採用活動への意欲を削ぐ要因となるのです。
業務の煩雑さ
採用活動には、さまざまな業務があります。
まず、求人票の作成や、応募者の管理が必要です。さらに、面接のスケジュール調整や評価も行わなければなりません。これらの業務が煩雑であるため、人事担当者に重い負担がかかるのです。
また、社内の関係部署との連絡調整も必要です。このように、複数の業務が重なることで、疲労感が増すのです。結果として、採用活動に対する意欲が低下するのです。
面接官が感じる採用活動のストレス軽減法
採用活動における面接官のストレスは大きな課題です。
面接スケジュールの調整、応募者の評価、情報の共有など、多くの業務が重なることで疲弊しがちです。しかし、これらの作業を効率化し、チームでの協力を強化することでストレスを軽減することができます。
ストレスの軽減は面接官のパフォーマンス向上にもつながりますので、非常に重要なポイントです。
効率的な面接スケジュールの設定
面接スケジュールの設定が効率的でないと、面接官のストレスが増加します。
まず、専用のスケジューリングツールを活用することが大切です。ツールを使うと、面接官全員の予定を一目で把握でき、効率的なスケジュールを作成できます。
また、事前に応募者のプロフィールを共有し、面接の前後に必要な準備時間を確保します。これにより、面接の質を高めるとともに、面接官の負担も軽減されます。
面接官間での情報共有
面接官間での情報共有がしっかりと行われることで、採用活動がスムーズになります。
まず、専用の情報共有システムを導入することが重要です。このシステムを使うと、面接官は応募者の評価やコメントをリアルタイムで共有でき、チーム全体で一貫した評価が可能になります。
また、定期的に面接官同士のミーティングを設定し、情報のすり合わせを行います。これにより、意見の不一致や評価基準のズレを防ぐことができます。
人事部で採用活動を楽にする方法
人事部での採用活動は、多くの手間と時間を要する作業です。新しい社員を迎え入れるために、効率的かつ効果的な方法を導入することが必要です。
そのためには、採用プロセスの標準化や採用管理システムの導入、さらに外部リクルーターの活用などが大切です。これらの方法を利用することで、人事部の負担を軽減し、より良い採用を実現することができます。
採用プロセスの標準化
採用プロセスの標準化は、採用活動を効率化する重要な方法です。
まずは、各ステップを明確にし、統一した基準を設けることが必要です。面接の評価基準や評価方法を統一することで、候補者の比較が容易になります。また、書類選考から面接、内定までの流れを一貫性を持たせることも大事です。これにより、誰が担当しても同じ基準で選考が進むため、採用活動がスムーズになります。
採用管理システムの導入
採用管理システムの導入は、現代の採用活動において必須ともいえる手段です。システムを活用することで、応募者の情報を一元管理でき、選考過程の状況をリアルタイムで把握することが可能になります。
さらに、面接のスケジュール管理や、候補者とのコミュニケーションも容易になります。応募書類の自動分析や、マッチング精度の高い選考も可能です。
これにより、効率が格段に向上し、人事部の負担が軽減されます。結果として、優れた人材の採用が実現します。
外部リクルーターの活用
外部リクルーターの活用も、採用活動を楽にする有効な方法です。専門性を持つリクルーターは、企業のニーズに合わせた適切な人材を見つけてくれます。
まずは、自社の求めるスキルや経験をリクルーターに詳細に伝えることが重要です。すると、リクルーターは、それに基づいて候補者を選定し、最適な人材を紹介してくれます。これにより、内部のリソースを節約しながらも質の高い採用が実現可能です。
採用活動のストレスを減らしインナーブランディングを強化
採用活動におけるストレスや「やりたくない」と感じる要因は、組織内外の様々な課題に起因します。しかし、それらを解消する方法は必ず存在します。
本記事で紹介した効率化の手法や外部リソースの活用は、負担軽減のための第一歩です。
さらに、採用活動を単なる人材確保の手段ではなく、インナーブランディングの機会として捉えてみましょう。採用プロセスを通じて、社員が自社の価値や理念を再認識する機会をつくり出すことで、組織全体のモチベーション向上やチームワークの強化にもつながります。
【弊社のインナーブランディング事例はこちらをご確認ください。】
深澤 了 Ryo Fukasawa
むすび株式会社 代表取締役
ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター
2002年早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。2015年早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。同年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はロンドン、フランス、ミラノで6度金賞受賞。制作者としての実績はFCC(福岡コピーライターズクラブ)賞、日本BtoB広告賞金賞、山梨広告賞協会賞など。雑誌・書籍掲載、連載多数。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)、「知名度が低くても“光る人材“が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)。「どんな会社でもできるインナーブランディング」(セルバ出版)。「人が集まる中小企業の経営者が実践しているすごい戦略 採用ブランディング」(WAVE出版)