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レポート

2024.05.26

インナーブランディングの具体的進め方

インナーブランディングの具体的進め方

中小企業が競争力を高める鍵は、「インナーブランディング」にあります。

今回は、その具体的な進め方をご紹介します。

目標設定からコミュニケーション強化、ブランド要素の統合、そして成果測定に至るまで、ステップバイステップで解説していきます。

インナーブランディング計画の立て方

ーブランディング計画の立て方

中小企業においてインナーブランディングは、社内の士気向上や組織文化の醸成に欠かせません。

しかし、いざ計画を始めようとなると、どのようにして良いスタートを切ればよいのか迷ってしまうケースが多いです。

効果的なスタートダッシュを実現するためには、現状分析を行い、そこから具体的な目標を設定することが大切です。加えて、達成に向けたステップを明確にし、必要なリソースを確保することが成功への近道となります。

目標の設定方法

良いインナーブランディング計画の最初のステップは、明確な目標を設定することから始まります。

目標は抽象的ではなく、具体的かつ測定可能でなくてはなりません。

たとえば、「社員の企業へのロイヤリティを向上させる」といった目標は具体的ではありません。「半年以内に社員の自社製品に対する信頼度を80%以上にする」といった数字で表すことができる目標が望ましいのです。

また、その目標を達成するためには、部署や個人ごとに何をすべきかも考える必要があります。各チームでどのような行動をとったら良いのか、そのために必要なリソースは何か、などを洗い出していくわけです。

この過程で、社員一人ひとりが自分たちの役割を理解し、計画へのコミットメントを深められるように構築していくことが重要となります。

タイムラインとマイルストーンの構築

目標設定が済んだら、次に達成に向けたタイムラインを作成します。

タイムラインには大きな目標を小さなステップに分け、それをマイルストーンとして設定します。

たとえば、3ヶ月ごとに、社内のアンケートを行って社員の企業に対する感情を測るといった具体的なアクションプランです。

マイルストーンごとに期限を設けることで、計画がスムーズに進行しているかどうかをチェックできますし、遅れが生じた場合には素早く対応を取らなければなりません。また、ここでは進捗を可視化することが大切で、全社員がいつでも進捗状況を把握できるようなシステムやツールを使用すると良いでしょう。

必要リソースの洗い出しと準備

インナーブランディング計画の実行には、人的リソースの他にもさまざまなリソースが必要です。これには、教育プログラムの開発や実施に用いる資材、コミュニケーションツール、またブランディング専門のコンサルタントなどが含まれることがあります。

それぞれのリソースがいつ、どの程度必要になるのかを洗い出しておくことが、計画を円滑に進める上で重要となります。

たとえば、社員向けのワークショップを開催する場合、事前に場所の予約やトレーナーの手配、必要な資料の準備をしておかなければなりません。このように、インナーブランディング計画の各ステップごとに必要となるリソースを明確にすることが、成功への秘訣なのです。

モチベーション管理:従業員のやる気を引き出す戦略

モチベーション管理:従業員のやる気を引き出す戦略

モチベーション管理は、中小企業においてインナーブランディングを進める際、非常に重要な要素です。従業員一人ひとりの意欲を高めることで、社内のポジティブなムードが創造され、それが会社全体の強みに変わるのです。

特に中小企業では、規模が小さい分、個々の従業員の貢献がハッキリと結果に反映されやすく、モチベーションの向上は事業成功の鍵となります。

組織の目標に対する理解を深め、それを達成するためのエネルギーを充填することは、インナーブランディング戦略を推進する上で欠かせないプロセスなのです。

インナーコミュニケーション:内部のつながりを強化する方法

ナーコミュニケーション:内部のつながりを強化する方法

中小企業では、密なコミュニケーションが可能な小規模な環境が強みとなります。

その中で、効率よく情報を交換し、社内の連携を密にするためには、インナーコミュニケーションを強化することが重要です。互いの理解を深めることで、業務の効率アップはもちろん、社員間の信頼関係構築にも寄与します。

まざまなコミュニケーションチャネルを活用し、透明性の高い環境を作り上げることで、従業員のモチベーションも維持しやすくなります。社員一人ひとりが企業のビジョンや価値観を共有し、それを日々の業務に落とし込むことが、インナーブランディングを成功させるカギとなるのです。

コミュニケーションプランの作成

コミュニケーションプランの作成には、まず現状のコミュニケーションの課題を洗い出すことがスタートポイントになります。どのような情報が従業員に届いていないのか、また、どのような情報伝達が効果的かを分析し、目標を明確に定めます。

次に、社内での情報共有のために、どのようなツールやメソッドを利用するのか、適切なツール選びとルール作りが必要です。

例えば、週次での全体ミーティングの実施、プロジェクト毎のコミュニケーションチャネルの設定、貴重なフィードバックやアイデアを集めるためのサジェスチョンボックスの設置などが考えられます。

また、定期的な一対一の面談を設けることによって、個々の社員の声を直接聞く機会を作り出すことも大切です。全社的な取り組みと個別の対話をバランスよく組み合わせることで、社内のコミュニケーションを円滑にし、より強固なチーム作りを目指します。

こうした取組みを通じてコミュニケーションプランを作成し、社内のコミュニケーションを活性化させていきましょう。

ブランディング要素の統合:ビジュアルとメッセージで一貫性を

ブランディング要素の統合:ビジュアルとメッセージで一貫性を

中小企業にとってインナーブランディングは、自社の信念を体現し、従業員にその価値を浸透させるための大切なプロセスです。その核となるのは、会社のビジュアルアイデンティティと、それを伝えるメッセージの統合から始まります。

一貫性を持つことで、内部だけでなく外部に向けても同じ顔を見せることができるのです。ここでは、そんなインナーブランディングの要素をどのように統合し、一貫性を持たせていくかを説明していきます。

会社のビジュアルアイデンティティの重要性

ビジュアルアイデンティティとは、たとえばロゴや色、フォントなど、企業の「顔」となる要素全てを指します。これらは、企業が持つ個性や哲学を具象化したものであり、社外はもちろん社内においても従業員が一体感を持つための大切なポイントとなります。

ビジュアルアイデンティティを明確にし、社内外に正しく理解されるようにすることは、従業員が企業と共感し、同じ目標に向かって進むために必要不可欠です。

これらの視覚的な要素が一貫していればいるほど、社員一人ひとりが自社のブランドを内面化しやすくなります。

コアバリューの表現方法

企業のコアバリューは、企業の行動と決断の基準となります。ビジュアルアイデンティティだけでなく、日々のコミュニケーションやビジネス上での判断にも、これらの価値観は反映されるべきです。

社内のプレゼンテーションスライドから、オフィスの装飾、社内報に至るまで、あらゆるメディアにおいてコアバリューを具現化することが求められます。

例えば、イノベーションを大切にする企業は、最新の技術やアイディアを積極的に取り入れたデザインを選び、それを社内外のブランディングに織り込むことが重要です。

社内コミュニケーションにブランディングを活かさなければ意味がない

インナーブランディングを成功させるには、社内コミュニケーションにブランディングを活かすことが欠かせません。

毎日の朝礼や定例会議、社内報通信などのコミュニケーションツールを使って、ブランドメッセージを伝えることが大事です。

これら全てが結びつくことで、組織全体としてのブランディングが完成し、社内外に対して、信頼と説得力を持った一貫したメッセージを発信できるようになります。

弊社では、理念の浸透までサポートしますので、インナーブランディングを実施する際にはぜひ一度お声がけください。

深澤 了 Ryo Fukasawa
むすび株式会社 代表取締役
ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター

2002年早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。2015年早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。同年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はロンドン、フランス、ミラノで6度金賞受賞。制作者としての実績はFCC(福岡コピーライターズクラブ)賞、日本BtoB広告賞金賞、山梨広告賞協会賞など。雑誌・書籍掲載、連載多数。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)、「知名度が低くても”光る人材”が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)。

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