企業理念を体験する新たな手法として、動画が注目されています。
本記事では、社員の心を動かし、共有される文化を築く動画の力に焦点を当てていきます。
ストーリーテリングを駆使したカルチャービデオの概要から、記憶に残るストーリーの構築方法など、事例を交えながら解説します。
動画を利用するインナーブランディング戦略
企業のインナーブランディングは従業員への理念の浸透やモチベーションの向上においてきわめて重要な役割を果たしましています。その中で、動画は視覚と聴覚に訴える力を合わせ持ち、直感的にメッセージを伝えることができるため、非常に効果的なツールです。
以下ではインナーブランディング戦略としての動画の活用法について、わかりやすく解説していきます。
採用ブランディングにおける動画の活用方法についても以下の記事で解説しているので、参考にしてください。
動画の力で社員の心を動かす
動画によるインナーブランディングの最大の利点は、社員の心に訴えかける能力にあります。人々がストーリーや映像にたいして感情移入しやすいことはよく知られた事実です。
企業が自らの理念や価値観を伝えるために製作する動画は、ただの言葉を越えて、社員がその理念を体験し、感じとることができる素晴らしい機会を提供するのです。
例えば、明確なビジョンを持った企業がその理念を具現化した動画を共有することで、社員は企業の目的や目標に対して具体的な理解を深め、自らがその一部であることの誇りを持つに至ります。
さらに、動画には教育やトレーニングの効率を高める役割もあり、新しい情報やスキルを即座にかつ効果的に社員に伝える手段としても非常に有用であることが実証されています。
ストーリーテリングの重要性とは
インナーブランディングにおけるストーリーテリングは、社員の感情に直接訴えるために極めて有効です。良質なストーリーは、単に情報を伝える以上の働きをし、人々の記憶に深く刻まれ、共感を生む可能性を秘めています。
具体的なキャラクターやエピソードを通じて、企業の文化や価値を伝達する際にストーリーが用いられると、それはよりインパクトのあるメッセージへと変化し、社員に強い印象を残すことでしょう。
したがって、インナーブランディングの中核としてストーリーテリングを取り入れることは、社員の結束を高め、モチベーションを促進する効果を持つと言えます。
ストーリーテリングによるインナーブランディング手法
企業の理念や価値観を社内外に効果的に伝える手法として、ストーリーテリングは非常に有用です。
インナーブランディングにおいては、社員一人ひとりがその企業の文化や価値観を体現し、会社を動かす原動力となる重要な要素であります。
企業理念を共有し、ビジョンに賛同する社員が増えることで、社外へのブランドイメージも向上します。
ストーリーテリングを活用することにより、単なるスローガンや抽象的な理念ではなく、具体的で感情に訴えかけるメッセージを発信することができるのです。
カルチャービデオ事例分析
企業の理念や文化を社内外に伝える手段として、カルチャービデオが注目されています。
特に、インナーブランディングにおいて、社員自身の価値観と企業理念を同化させる取り組みとして、動画を通じてこれらの理念を浸透させることは非常に有効です。
動画は視覚的情報を豊かにし、情報の理解を助けるため、社内教育やモチベーション向上に寄与します。
国内企業のカルチャービデオ成功例
動画によるインナーブランディングが成功している国内企業は数多くあります。
たとえば、大手IT企業は、創業当時のエピソードを交えながら、いかに社員が自由な発想でイノベーションを生み出しているかを描いたカルチャービデオを制作しました。
これにより、新入社員や求職者に対して会社の開放的な雰囲気を伝えることに成功しています。また、社員へのインタビューを交えることで、実際の職場環境がどのようなものか、リアルな声を通じて伝えています。
海外企業におけるユニークな事例
海外でも、独自のカルチャービデオを制作し、話題を呼んでいる企業が数多く存在します。
たとえば、シリコンバレーに本拠を置く某テクノロジー企業は、オフィスでの楽しげな日常や革新的な取り組みをコミカルに描いた動画を多数制作しており、その社風が求職者の関心を引きます。
また、社員が自社製品を使用する様子や、チームワークの良さをアピールするなど、単に売り込みに留まらないカルチャーの魅力が伝わる内容となっています。
インナーブランディングと動画の相乗効果
企業が自社の理念や価値観を社員に浸透させるためのインナーブランディングは、持続的な成功の鍵を握っています。動画はその強力なツールの一つと言えるでしょう。
動画を使えば、社員一人ひとりの感情に直接語りかけ、企業理念をより深く理解してもらうことが可能になります。また、ストーリーテリング技術を用いて社員の共感を呼び起こすことで、組織全体の一体感を生み出し、インナーブランディングを成功へと導いていけます。
ただし、クリエイティブだけで成功するか?といえば、YESとは言えません。
以下は、採用ブランディングの観点からクリエイティブについて解説している記事ですので、そちらも参考にしてください。
深澤 了 Ryo Fukasawa
むすび株式会社 代表取締役
ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター
2002年早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。2015年早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。同年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はロンドン、フランス、ミラノで6度金賞受賞。制作者としての実績はFCC(福岡コピーライターズクラブ)賞、日本BtoB広告賞金賞、山梨広告賞協会賞など。雑誌・書籍掲載、連載多数。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)、「知名度が低くても”光る人材”が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)。「どんな会社でもできるインナー・ブランディング まず教育、そして採用、業績アップ。鉄板の好循環をつくる」(セルバ出版)。