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2023.11.06

インナーブランディングこそがブランディング|プロモーションも採用も社内から

インナー・ブランディングこそブランディング

昨今では、SNSの流行もありSNSブランディングやセルフブランディングなど「ブランディング」という言葉が至るところで使われるようになりました。

その影響から「自社でもブランディングを行おう」と考えている企業も多いでしょう。

しかし、多くの企業は「ブランディング」を、外側(顧客)向けのみからはじめようとしてしまう傾向があります。弊社の観点からすると、この考えは正しいとは言えません。

本来、ブランディングは「インナーブランディング」から始めるべきなのです。

今回は、なぜ「インナーブランディング」が重要なのかについて解説します。

インナーブランディングこそブランディングの重要な部分

インナー・ブランディングこそブランディングの重要な部分

昨今言われている「ブランディング」は、外側に向けたものが多いです。外側というのは「社外からどのように見られるか?」の部分を指します。

とくに、SNSによるブランディングは、外側のブランディングを固めている代表例といえるでしょう。もちろん、SNSのブランディングについては、外側に向けて発信する方法で間違ってはいません。

しかし、重要なのは「そのブランディングが社内に浸透しているか?」です。どれだけ外に向けたブランディングをしても、社内に向けたインナーブランディングをしていなければ、意味を成しません。

現代のいわゆる「ブランディング」はインナーを忘れている

先述したように、外に向けたブランディングを行うことは、決して間違いではありません。ブランディングを行う上で、外に向けた発信も大事です。

また、インナーブランディングもアウター・ブランディングも、どちらが先という順番はありません。

ただ、大事なのは、どちらも考えているかどうかです。昨今のブランディングは、アウター・ブランディングのみを先行して、インナーブランディングを忘れている傾向がみえます。

ブランディングは、社内外問わず、一貫性がなければいけません。インナー、アウター、どちらか一方では、一貫性が出なくなってしまいます。

ブランドとは一貫性

一言でいうならば、ブランドとはブランド価値を高めるための活動です。その活動の一つとして、インナーブランディングやアウターブランディングがあります。

つまり、ブランド価値を高めるには、どちらも一貫していなければいけません。

たとえば、アウターブランディングで統一感を繕ったところで、社内の人が理解していなければ、本来のブランディングではありませんし、ブランド価値は高まりません。

むしろ、アウターブランディングでブランドを知った人が実際にサービスを利用して、期待外れになってしまうというマイナス要素も考えられます。

採用で考えた場合も同様です。会社がどれだけ自社の理念を外に伝えていても、社員に理念が浸透していなければ、応募者のモチベーションを下げてしまい、ミスマッチに繋がってしまいます。

プロモーションのためにもインナーブランディングが必要

プロモーションのためにもインナー・ブランディングが必要

インナーブランディングを行わずに、プロモーションでブランド価値を伝える方法もあります。しかし、多くの場合、プロモーションだけでは失敗してしまうでしょう。

なぜなら、インナーブランディングができていないとどこかで必ず一貫性がなくなるからです。ブランドに関する考え方が社内で浸透していなければ、考え方が統一されたプロモーションにはなりません。

また、広報や人事担当者が変わった際にも、一貫性が出ず、ズレが起きてしまいます。

その結果、どのようなプロモーションも行き当たりばったりの効果の薄いものになってしまうのです。

広告効果を最大化するためにもインナー・ブランディングが重要

広告やプロモーションは、運が良ければ一時的に大きな効果を得られるかもしれません。しかし、インナー・ブランディングを行っていなければ、継続的には効果が出ないでしょう。

なぜなら、社内の人間がブランドを理解していないからです。自社の社員がブランドを理解していれば、広告のズレも起こらない、継続的な効果を見込めます。

インナーブランディングから始めればプロモーションも採用もうまくいく

インナー・ブランディングから始めればプロモーションも採用もうまくいく

今回解説したように、ブランディングで行うべきは「インナーブランディング」です。インナーブランディング抜きでブランディングを語っても、それは中身のないブランドといえるでしょう。

ブランドは、あくまで社内で軸にあるからこそ生まれるものです。それを、わかりやすい形や伝わりやすい形で外に向けていきます。だからこそ、インナーブランディングが重要なのです。

外に向けたブランディングだけを行って、実際に中を覗いたときに「誰も知らない、誰も理解していない」では、ブランディングとは言えません。むしろ、期待を裏切られるようなマイナスな施策になってしまうでしょう。

これは、採用においても同じことが言えます。

ブランディングという言葉が流行っている中、本来の重要については理解できていない人も多いのが現状です。ぜひ本記事を参考にして、改めて「ブランディング」について理解を深めてください。

深澤 了 Ryo Fukasawa
むすび株式会社 代表取締役
ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター

2002年早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。2015年早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。同年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はロンドン、フランス、ミラノで6度金賞受賞。制作者としての実績はFCC(福岡コピーライターズクラブ)賞、日本BtoB広告賞金賞、山梨広告賞協会賞など。雑誌・書籍掲載、連載多数。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)、「知名度が低くても”光る人材”が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)。「どんな会社でもできるインナー・ブランディング まず教育、そして採用、業績アップ。鉄板の好循環をつくる」(セルバ出版)。

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