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2023.06.21

採用ブランディングで作る自社の強みは3つに絞る

採用ブランディングで作る自社の強みは3つに絞る

採用ブランディングでは、自社の強みの明確化が重要です。

しかし、どのような企業でも強みを深掘りしていけば、10個~20個ほどの強みが挙がってしまいます。

もちろん自社の強みが多く出るのは良いことですが、すべての強みを求職者に伝えるのは現実的に難しいです。

そこで、私たちむすび株式会社で行っている採用ブランディング・プロジェクトでは、強みを3つまで絞り込みます。

では「なぜ3つなのか?」「どのように3つに絞り込んでいくのか?」について、今回は解説していきます。

 

採用ブランディングにおいて強みを3つに絞り込む理由

強みが3つであるべき理由

先述したように、私たちの採用ブランディング・プロジェクトでは、いくつもの強みを3つまで絞り込みます。

しかし、なかには以下のように考える企業もあるかもしれません。

  • 1つの強みの方が伝わりやすいのではないか?
  • 2つあれば十分ではないか?
  • 3つと言わずすべての強みを掲げた方が良いのではないか?

以下では、なぜ私たちが「3つ」にしているのか、理由について解説します。

 

強みが1つでは差別化にならない・伝わらない

強みを一つだけに絞ってしまった場合は、他社との差別化ができない上に、強みが明確に伝わりません。

例えば、自社の強みが「チームワークがある」とした場合で考えてみましょう。

まず、ほぼ確実に同じような「チームワーク」を強みにしている企業があり、かぶってしまいます。当然、差別化ができません。

さらに「チームワークがある」だけでは、以下の点が求職者に伝わらないのです。

  • どのような業種
  • どのようなビジネス
  • チームワークのどんな部分に強みがあるのか
  • どんな人がいるのか
  • どんな傾向のチームワークなのか

上記の点は「チームワークがある」だけでは表現しきれません。

そのため、独自性が低く主観的な主張だと捉えられかねないのです。つまり、具体的に伝わらずないために応募が来ません。

この部分を補完してくれるのが、他の2つの強みです。

3つの強みが組み合わさって、やっと自社の強みとしてのニュアンスが伝わるようになります。

  

強みが2つでも似通ってしまう

強みを2つにした場合も、強みを1つにした場合と同様にかぶってしまいやすくなります。

1つの強みと比べればニュアンスの調整はできますが、それでも大きな差別化は図れません。

例えば、強みを「社長×チームワーク」と設定したとしましょう。しかし、同じような強みを掲げている会社はいくつもあります。

その結果、以下の点で比べられてしまうのです。

  • どちらが家から近いか
  • どちらの給料が高いか

上記のような数字やスペックで比較されてしまうので、強みを明確にする意味がありません。

また、「社長」だけでは「社長と合わないかもしれない」「社長と距離が近すぎるのは好まない」と考えてしまう人もいるでしょう。

つまり、2つの強みでは求職者に本当の自社の強みや魅力が伝わりきらないのです。

反対に、強みを3つにした場合で考えてみましょう。

例えば、「社長×チームワーク×社風」の強み打ち出した場合、福利厚生や給与体系が同じであれば、当然「社長×チームワーク」のみを掲げている企業よりも3つの強みを掲げている企業の方が選ばれやすいです。

 

3つで強みが明確になる・伝わる

上記でも解説しているように、3つの強みを掲げればそれぞれの強みがお互いに補完し合って、具体的な強みとして伝わります。

元リクルート社フェローの藤原和博氏も、以下のように提唱しています。

「どんな人でも正しく努力して3つの強みをかけ合わせれば100万分の1の存在になれる」。

上記の言葉のとおり、差別化を図り、刺さってほしい人に刺さる強みを伝えるためには3つの強みが必要なのです。

 

強みには必ず価値観や文化を入れる

私たちが3つの強みを明確にする上で重要にしているのが、価値観や文化を強みに入れることです。

3つの強みの中に価値観や文化が入っていないと、ミスマッチが起きやすくなるからです。

価値観や文化に惹かれて応募してくる人もいるので、事業上の強みだけではなく、必ず価値観や文化を含んでいただきます。

なかには「特別に、独自の価値観や文化はない」と悩む企業もありますが、当たり前に行っている中に、必ず自社独自の文化があります。

このような強みの見つけ方は、以下の記事で解説しているので、そちらも参考にしてください。

 

最終的に3つに落とし込むのは企業自身

私たちの採用ブランディング・プロジェクトでは、最終的な3つの強みの絞り込みは企業自身で行ってもらいます。

私たちが3つの絞り込みまで行ってしまうと、企業にとって腹落ちしない結果になってしまうからです。

強みを徹底して着実に実行してもらうためには、企業自身が納得のできる3つの強みになっていなければいけません。

 

強みを3つ以上にしてはいけない理由

強みを3つ以上にしない理由は、単純に伝わりきらないからです。

説明会やイベントなど、限られた時間で強みを伝えきるには3つが限界です。10個も20個もあると、時間が足りません。

もし詰め込んだとしても、情報量が多すぎて求職者の印象に残らなくなってしまいます。

 

自社の強みをより明確に、より伝わるように

自社の強みをより明確に、より伝わるように

採用ブランディング・プロジェクトの「3つの強み」は、3つだからこその理由があります。

ただ単に、いくつもの強みを掲げれば良いわけではありません。反対に、強みが少なくても求職者には伝わりません。

私たちむすび株式会社は、強みの洗い出しや、より伝わるためのコンセプト作りまでも徹底的に行います。

強みの見つけ方については、以下の記事でも解説しているので参考にしてください。

  
  
    

 
深澤 了 Ryo Fukasawa
むすび株式会社 代表取締役
ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター
2002年早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。2015年早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。同年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はロンドン、フランスで5度金賞受賞。制作者としての実績はFCC(福岡コピーライターズクラブ)賞、日本BtoB広告賞金賞、山梨広告賞協会賞など。雑誌・書籍掲載、連載多数。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)、「知名度が低くても”光る人材”が集まる 採用ブランディング完全版」(WAVE出版)。
    
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